カラーコード【京主前提】 ※未完

ジャンル:東京魔人学園剣風帖 お題:何かの殺し 必須要素:ブラウン管 制限時間:30分 文字数:725字


 この手で異形の者を斃す《力》―――。

 もの心ついた頃からそのような《力》があった。
 戯れにほかの人には見えないその者を消滅させては喜んでいた。
 遊びのつもりだったのだろう。

 《力》はどこからやってくるのだろう。
 こんな《力》などいらないと思うこともあった。
 この《力》のおかげで両親の顔を知ることもなく生き、それでもそんなことを意識することもなく恵まれた生き方をしてこられたと思う。

 恩返し―――ということでもない。
 ただ、ブラウン管越しのようなこの世界にも、生きる糧があるのだということを教えてくれた仲間たちとずっと一緒にいたいという思いなのだろう。
 それを宿星と言われればそうなのかもしれない。

「おい、ひーちゃんッ。ひーちゃんッ!」
 突然身体を揺さぶられる感覚とともに周りの景色がはっきりと映る。
「ああ……京一……」
 狭い路地、夜、京一に醍醐、葵に小蒔―――。
「よかった、ひーちゃん」
 小蒔がほっとしたような顔で寄ってくる。
「お前、突然倒れるから心配したぜ」
 俺は京一に抱きかかえられていた。

 俺が怪訝そうな顔をしていると、
「どうした? どっか痛んだりするのか?」
 京一は隠し事はナシだぜ? と言いたげな顔で訊いてくる。

「いや、痛みはない、と、思う。ちょっと前後の記憶が飛んでて……」
「それ、大丈夫じゃねェだろ」
「いや、大丈夫だ。それ以外はなんともない」

「ここで戦闘があったんだよ。ちょっと前から嫌な気配がするからって人気のない場所まで誘い込んで」
「で?」
「そんで、無事に斃して終わり、ってな頃に、ひーちゃんが倒れこむからびっくりしたんだぜ」

「そうか……すまなかった……」


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