春雨は夕方に 【京主前提】

ジャンル:東京魔人学園剣風帖 お題:素晴らしい春雨 制限時間:15分 文字数:553字


「ひーちゃん、なに食ってんの?」

 夕方。昼寝から目覚めた京一の鼻腔に何やらスープの匂いがする。「ひーちゃんが飯の準備でもしているのかな」とリビングと繋がっているキッチンへ向かうと、龍麻は何やら食していた。

「スープはるさめ」
「うまい?」
「そんなには……」
「うまくないのに食ってんの?」
「カロリー低いし」
「ひーちゃんはカロリー気にしてメシを食う必要ねぇだろ……」

「あのな京一。もうこの歳になったらカロリーを気にせずものを食っちゃダメだ」
「え~? ひーちゃんのどこに脂肪が付いてるよ」
 そう言いながら京一は龍麻の腹部に触れる。
「吸い付くようなメリハリのある肉。たまらねぇな」

「やめろ京一。変なふうに触るな」
「変な風ってどんな風だよ」
 京一はニヤニヤしながら龍麻の顔を見つめる。
「そんな風だ。特に京一、お前は夜にラーメンとか最悪だぞ」
「なんだよ。夜のラーメンは最高だろッ」
「そのうち内臓脂肪が溜まって、見た目は変わらなくてもデブるぞ」
「そうなったらそうなった時だってッ」

「俺はデブった京一は見たくないな。だからお前も夜はこれを食え。とにかく炭水化物はダメだ」

 とりとめのない夕方。これから龍麻は京一を連れて買い物に出かける。


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