【京主】 昼休み(仮題) ※未完

ジャンル:東京魔人学園剣風帖 お題:儚い霧雨 制限時間:30分 文字数:762字


 真神学園の屋上は京一と龍麻の第二の安息の地である。もちろん第一は龍麻がひとりで暮らすマンションだ。
 龍麻が一人暮らしであることが発覚したその日のうちに京一は至って自然にさもそこが自分のいる場所であるという風に立ち寄り―――と言っても龍麻とてまったく京一を拒むことなく自然に招き入れていた―――とぐろを巻くのが日常化している。週の半分以上は龍麻の家に居るのが常になっているため、京一を捕まえるなら龍麻を捕まえたほうが早いということは既に仲間内の一致した見解である。

 昼休み。

「ひーちゃん。雨だな」
「ああ、雨だな」
 そんな安息の地である屋上はこの雨の中、日課とかしている昼休みを過ごすのは少し厳しい。
「でももう少ししたら止むか?」

「えー? 京一たちもしかして屋上行くの?」
 教室から外を眺めていた京一と龍麻の会話から今日は屋上はなしだと思っている小蒔から声がかかる。
「どうすっかな。霧雨っぽいからなぁ。やっぱ、堅ッ苦しい教室じゃなくてよ屋上がいいよなぁ」
「まッ、ナントカと煙は高いとこが好きって言うしね」

「なんだとッ小蒔!」
「ダメだよ。龍麻クンまで巻き込んじゃ。京一なら雨に濡れても風邪を引かないだろうけど……それこそバカはナントカってね」
「いよいよケンカ売ってんのかッ」
「ヘヘン。ホントウのことを言ってるだけだよ」

「小蒔……」
 いよいよ京一と小蒔のケンカという名の小競り合いが始まりそうなところを横で話を聞いていた葵が止めに入る。いつもの微笑ましいやり取りを心のなかで笑いながら龍麻は見守る。

「でも本当に小雨だな……。入口の庇付近くらいなら大丈夫じゃないかな」
 龍麻は窓からの雲を見ながら言う。
「だろッ。さすがひーちゃん!」
 さも心得たとばかりに京一は龍麻の首に腕をかけ


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