雷の行方 ※未完

ジャンル:東京魔人学園剣風帖 お題:美しい稲妻 制限時間:1時間 文字数:611字


「俺たちの技ってさ……どうなってんのかな……」
 京一がボソリと呟く。
「どうなってる、とは?」
 秋雨の降る肌寒い街路を傘をさして歩く二人。
 当然のように京一は傘などというものを持ち歩くような性分ではないので、龍麻のさす傘の中に京一は入っている。所謂相合傘である。
 龍麻はそのために傘を持ち歩く時は大の男二人が入れるよう八〇センチ傘を持ち歩いている。

「いや、木刀から光が出たりよ、何か見た目がすげェじゃねェか」
「まぁそれはゲームだから……」
 龍麻は合点がいったという風に返す。
「おいッ メタ発言やめろって」
「それは冗談として、この力は物理現象の枠を超えてるからな。龍脈の力を得て某かの変換がなされてああいう風な超常現象を引き起こしてるんだろう」
「こんだけよ長い間受け継がれてる力なのに誰もそれを解明しねェっておかしいよな」
「まぁ……現象としてはわかっているけど、どうしてそうなるのかわかっていないことは世の中にたくさんあるからその中の一つだと考えるしかないな」
「ひーちゃんは相変わらず冷静だな。まッ、そこがイイんだけどよ」

「例えばだ、俺たちの技の原理がわかったとして、だからと言ってそれを使えるようになるかというと……」
「まぁ、使えないわな。俺だって修行して『技』を習得したわけじゃねェもんな」
「だろう? もちろん技の礎になってるものは、俺だって京一だって修行して身につけたものだけどさ」


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