兄弟BLの深淵

兄弟BLが大好きと言って憚らないのに、おそ松さんの BLには特に興味が無いのはどういうことなのか。

兄弟BLの中にはタイトルに兄弟と入りつつ、実の兄弟ではなく親同士の再婚で戸籍上の兄弟になったという義兄弟ものが多量にあり、それらすら兄弟BL だからと愛でる姿勢を忘れていないのに、紛うことなき実の兄弟であるおそ松さんには一切兄弟BLを見出せないのである。

義兄弟ものでも、幼少期から同じ家に住んでいて……というケースは私にとっては実の兄弟と変わらないので、兄弟というものの定義が血の繋がりだけではないということはわかっている。

なぜなのか。よくわからない。私は兄弟に BL を見出しているのではないのか? という根本的な疑問すら生じさせるおそ松さんは困った存在なのである。

それはそれとして、私が好きな兄弟BL作品をご紹介したいと思う。

兄弟BLにおいて年齢差はとても重要だと思っているので、年齢差を入れてます。

3歳差までは、小中高のどこかで学校が重なるくらいの年齢差なので、ごく一般的な兄弟を見れる。友達のような兄弟もあり得るし、距離をおいた兄弟もあり得るので、作品の層としてはボリュームゾーンになる。

3歳差以上、7歳差以内だと小中高のどこにも学校が重なることがない可能性があり、またこれくらいの年齢差だと、兄が弟を甘やかすケースが増えてくるのでとても甘い兄弟が見れる。

7歳差以上になると、兄の物心がついて、冷静に物事が見られる年齢で弟が生まれることになるので、疑似親子だったり、疑似保護者被保護者だったりとより複雑な関係性がとてもよいのですが、あまり作品としては見られなくなります。寂しい限りです。


久松エイト 「ハロー・グレイ・ナイトシェード」

老舗料亭の腹違いの8歳差兄弟。設定自体は割りと韓国ドラマにでもありがちなドロドロかと思いきや、ひたすら兄弟仲がいいせいで、ドロドロにはなりえない。やはり兄弟BLは素晴らしい。


さり 「岡本兄弟の場合」

4歳差兄弟。世の中の弟は兄に劣情を抱くもの。「兄は酔って眠ると朝まで起きない」という言葉を信じて、眠りについている兄の寝室に忍び込んで自慰に至る弟。そして、それに気づいているが何も言えない兄。

同人誌で番外編もあるので、それも見るといいです。


かむ 「きっと恋になる」

3歳差兄弟。兄に劣情を抱く弟の葛藤が天真爛漫な兄に融解されるという内容を丸々1冊分使って展開するのがすごいし、素晴らしいと思う。

兄である光由が、弟智行からの唐突な思いの告白に動ずることなく、思いを受け止めるという流れが特徴的で、私は兄弟BLに葛藤を持ち込んでほしくない派閥なので「とてもいい」と思ったのですが、兄弟BLに背徳などというものを持ち込もうとする派閥とは相性が悪いかもしれません。

「BL を読んでるくせにそういう倫理観だけ古いのはどうしてですかね?」という兄弟BL好きの半分くらいを敵に回しそうな感想を、背徳を兄弟BLに持ち込もうとする人たちにはどうしても持ってしまうので、この作品はとてもいい作品です。


鈴白ねりた 「フタリボッチシンドローム」

27歳、16歳の11歳年差兄弟。優秀な兄とかわいい弟。元々両方がブラコンで、仲良し兄弟だったが、両親が亡くなり二人きりになりそれがきっかけとなり……という流れ。

年の差、仲良し兄弟、両親離別と、私の兄弟BL好きポイント詰め込みかと思うくらいの設定。

本編は割りとあっさりと終わってしまいますが、同人誌で番外編が出ているので、それも読むとより理解が深まります。


中田アキラ 「兄弟の秘密ごと」

4歳差兄弟。絵が好きです。ダイレクトな表現は控えめで、兄弟BLを表現しているので、兄弟BL初心者向きかと思いきや、個人的には逆に他の兄弟BL作品を読み漁った上で、読むべき上級者向け兄弟BL作品だと思います。


会川フゥ 「中野家のはなし」

5歳差兄弟。ある意味リアルなガチ兄弟もの。仲のいい兄弟、弟の悶々とした恋慕、それに気づくわけもない兄。そして周りの家族や友人。それぞれが描かれているので、盛り上がりに欠けるがそれこそが「リアル」

最後、そうなるかという終わり方で、明るい作風も得意な作者が描くメリーバッドはとても味わい深いものがあります。


りんごの実 「兄弟失格」

4歳差兄弟。これはほんとにいい。

4歳差兄弟なのに7歳差兄弟の甘さを感じるのは、兄が「頼りない親に代わって弟を育ててきた」という経緯もあるでしょう。このあたりの家族関係はまだ詳細がわからないので、今後判明するのか楽しみでもあります。

まずは pixiv で読んでもらって、電子出版されているものも読みましょう。

まだ継続中の作品なので今後どのような展開になるのか楽しみで仕方がありません。


はなぶさ数字 「兄貴あれなんだったの」

6歳差兄弟。6歳差なのに甘くない。ビター味のガチ兄弟BL。

ある意味このドライさはリアル兄弟っぽくて、迫真の兄弟BLという雰囲気を醸し出しています。ビターではあるんですが、兄は弟を内面的に溺愛しているので、トゲトゲした部分はなく、むしろ弟との年齢差がなければもっと違う形で関われるのにと思っているところが愛おしかったです。

きちんと両親が健在で、その存在もきちんと描かれているのがいいです。兄弟BL はやはり「家族であること」という前提がありますので、そこあたりは作品ごとに描かれ方のポイントになる部分です。

この作品も pixiv で発表されて、書籍化されているので、気に入ったらぜひ購入しましょう。

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