2019/08/10
LIVA Z2 8/120-W10Pro レビュー
LIVA Z2 を使い始めて2ヶ月弱経ったので、使用感を備忘録的にレビューしたいと思います。
まず LIVA Z2 の仕様を引用します。因みにクイックガイドには仕様は一切載ってなかったので、仕様を確認するには公式サイトを確認しなければなりません。
この点は、「取扱説明書に仕様が書かれている PCは信用できる」という個人的セオリーから外れます。
型番 | LIVAZ2-8/120-W10Pro(N4100) | |
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JAN | 4529327907619 | |
OS | Windows 10 Pro 64bit | |
プロセッサ | プロセッサ | Intel® Celeron® N4100 |
コア数/スレッド数 | 4/4 | |
ベース動作周波数 | 1.10 GHz | |
ブースト動作周波数 | 2.40 GHz | |
キャッシュ | 4 MB | |
グラフィックス | グラフィックス | Intel® UHD Graphics 600 |
ベース動作周波数 | 200 MHz | |
バースト動作周波数 | 700 MHz | |
DirectX | 対応 | |
OpenGL | 対応 | |
メモリ | 規格 | SO-DIMM DDR4-2400 最大8GB (4GB×2) |
容量 | 8GB | |
空きスロット | 0 (増設済) | |
内蔵ストレージ | 規格 | eMMC |
容量 | 32GB (Dドライブ) | |
拡張ストレージ | 規格 | 2.5インチ SATA 6Gb/s(SATA3.0) |
容量 | 120GB (Cドライブ) | |
映像出力 | 1×HDMI 2.0 1×HDMI 1.4 |
|
有線LAN | 1×Gigabit LAN (10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T) | |
無線LAN | Wi-Fi 802.11ac(Intelコンボカード) | |
Bluetooth | Bluetooth 4.2(Intelコンボカード) | |
インターフェース | 1×HDMI 2.0 1×HDMI 1.4 3×USB 3.1 Gen.1 1×USB Type-C 3.1 Gen.1 2×USB 2.0 1×有線ギガビットLANポート 1×音声出力とマイクインの3.5mmコンボジャック 1×デジタルマイク 1×給電用DCポート |
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冷却方式 | ファンレスヒートシンク | |
対応温湿度 | 動作時温度/動作時湿度 | 0~40℃/ 20%-80% R.H. |
非動作時温度/非動作時湿度 | -20~60℃/ not over 90%R.H | |
ACアダプタ | 入力:AC100-240V 出力:DC19V/3.42A (65W) |
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VESA | 対応 | |
ケンジントンロック | 対応 | |
保証 | 1年 | |
付属品 | 1xACアダプタ 1×ACコード 1×VESAマウント 6×VESA用スクリュ 1×クイックガイド 1×ドライバDVD |
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本体サイズ | 132x118x56.4mm | |
本体重量 | 約640g | |
パッケージサイズ | 255x220x75mm | |
パッケージ重量 | 約1.5kg | |
注意事項 | メモリやSSDの交換、増設は本体の分解が伴います。 メモリやSSDの交換、 増設に伴う本体の分解時の破損やその他不具合は保証対象外となります。 |
PassMark の結果を見るとわかりますが、少し前の Core i3 と肩を並べるスコアで、実際の使用感でもそのくらいの体感速度です。もちろん最新の Core i シリーズとは比較にならないスコアですが、この価格帯の PCと比較すること自体が間違いだと思います。
具体的な体感速度の話をすると、周辺機器を何もつけない状態での電源オンからログイン画面が出るまでの時間が約18秒、GoogleChrome の起動が約5秒くらいになります。
ログイン画面が出るまでの時間は最新の Core i シリーズもそんなもんだと思いますが、ブラウザが起動する時間は最新の Core i だと1秒とかなので約5倍位はかかります。一度起動してしまえば再度のブラウザ起動はキャッシュを使うのでそれほどかかりません。
プリインストールされていた Windowsバージョンは Windows10 Pro 1803 でした。リリース時期を考えると 1809 でもよさそうなものなんですがこれは理由がよくわかりません。
10 Pro なので、Windows10 の全機能を使えます。特にリモートデスクトップや Hyper-V を使えるのは便利ですが、今のところ使ってはいません。
LIVA を Linuxマシンとして使うとかであれば、Windows10 Pro バージョンなど不要ですが、Windows のまま LIVA を使う人にとっては Proが載っていると便利だと思います。
しばらくはファンレスによる静粛性、ウェブブラウザを使用するには特に困らないマシンパワーにより特に困ったこともなく使用していましたが、1ヶ月ほどして GoogleChrome で特に規則性はなく「このウェブページを表示中に問題が発生しました」というエラー画面の表示が発生するようになりました。リロードすれば表示されますが、いつエラーが出るのかわからないので精神衛生上よくありません。
そこで、Firefox をインストールして様子を見てみると、Firefox ではそのようなエラーは一切でないので安心していましたが、Firefox ではエラーは出ませんが動画再生でのカクつきが目立つようになりました。
GoogleChrome でしかエラー画面は出ないので、Chrome と LIVA Z2 との相性問題かとも思ったのですが、Firefox でも動画がカクついたりするので、これはグラフィックアクセラレーションが問題なのでは……と目星をつけました。
この目星を付けるまでには Chrome の設定を変更したり、インストールをやり直したり、グラフィックドライバーの更新や、Windows10 を 1903 にしてみるなど試してみたのですが状況が変わらないので、GPU とブラウザの問題であると消去法でたどり着きました。
そしていずれもブラウザの設定において GPUを使用しない設定にすることで解決しました。
GoogleChrome では「設定」→詳細設定を開き、システム項目の「ハードウェアアクセラレーションが使用可能な場合は使用する」のチェックを外すと GPUを使用しなくなります。
Firefox では「オプション」→「一般」→パフォーマンス項目の「推奨パフォーマンス設定を使用する」のチェックマークを外すと表示される「ハードウェアアクセラレーション機能を使用する(可能な場合)」のチェックを外すと GPUを使用しなくなります。
GPU を使用しなくなるので画面表示は遅くなるかと思いきや、そもそもブラウザと GPUとの相性が悪いのか、有効にしていても大して GPUを使っていないので体感的には殆ど差を感じることはありません。ただ、動画などを再生していると GPU支援を得られないので CPU使用率が結構上の方で張り付きますが、ファンレスPCですのでファンの音が大きくなったりもしませんので表面上は何の問題もありません。
通常のデスクトップPCはモニタ裏に貼り付けるなどということはできませんが、LIVA Z2 は VESAマウント金具が附属してきます。
多くの PC用モニタや液晶ディスプレイは VESA規格に対応していますので簡単にモニタの裏に本体を固定することができます。こういうことをできるようにしているということは LIVA はデジタルサイネージやオフィスワークもターゲットにしているということだろうと思うのですが、その割には USB Type-C 3.1 で給電できないのは片手落ちでは? と思ったりします。
VESAマウンタをテレビの裏に取り付け、本体に VESAマウンタへ引っ掛けるための専用ネジを取り付けると本体を簡単に固定できます。こうすることで、LIVA Z2 が完全にモニタの裏に隠れることになりますので机がスッキリします。
当初私もこれで満足していたのですが、取り付けているモニタがパナソニックの液晶テレビ VIERA なので、PC専用のモニタとは違いテレビ裏の排熱口からの熱が結構出ていてその熱はもちろんモニタ裏に付けている LIVA Z2 にも伝わります。LIVA Z2 はファンレスヒートシンクなので一般的なファンによる強制排気をしている PCより熱に弱いのではないか? と心配になってきました。
HWMonitor で CPU温度を測ると高負荷時に73度くらい出ていて、ファンで強制排気している PCならなんの問題もない温度ですが、ファンレスヒートシンクである LIVA Z2 にはパフォーマンスに影響が出るのではないかと考えました。しかし VESAマウンタによる快適性を捨てたくない。幸いにも私の使用している机は自作の木製机なのでネジが使えます。そこで、VESAマウンタを机の木枠に取り付け、そこに LIVA Z2 を設置しました。
LIVA Z2 は専用の VESAマウンタが付属しているので VESAマウンタを固定できる場所があれば実際はどこにでも固定することができると思います。この点は小型デスクトップPCならではの利点だと思いますので、今後も LIVAシリーズが続くのであれば継承していただきたい機能だと思います。
全体的に安定した作りなので不具合らしい不具合は先の GPU周りだけで、これが将来的に解消されるといいのですが、本当にハード周りが原因なのかはっきりしないので、ECS にはきちんとしたサポートを期待したいと思います。