TicPods 2 Pro Plus 使用感想

mobvoi TicPods 2 Pro Plus という完全分離型 Bluetoothイヤホンを購入した。

公式サイトからして日本語が怪しいので例によって中国企業です。

中途半端な日本語訳をするなら英語のほうがマシなので、仕様以外の部分が英語のままなのは却って好感が持てます。

まず前提として、私はイヤホンの主流であると思われるカナル型イヤホンが苦手で耳が疲れるので、インナーイヤー型イヤホンを選びたいが、インナーイヤー型の完全分離型 Bluetoothイヤホンというと Apple製の AirPods があり、これが本当によくできているので、これを使っておけばいいと思っています。
しかし、今回購入した TicPods 2 Pro Plus は AirPods にはない音声コマンド、ボリュームをイヤホンのタッチエリアをスワイプすることで実現するという意欲的な作りに惹かれて使ってみました。

過去、イヤホンについては以下のエントリーでも書いています。

TicPods 2 Pro には Pro と Pro Plus があり、上記の公式サイトでは違いがよくわからず、どちらを選べばいいのかわからなかったのですが。下記の購入サイトには細かい違いが書かれていました。

ここの日本語も怪しいんですが、Pro と Pro+ の違いとしては、

  • チップセットが違う
  • タッチコトロールの機能が増えた
  • 片耳で使える(逆に言うと、Pro+ 以前までのモデルは片耳で使えないということで、これは AirPods 以下です)

ということみたいです。この機能差を考えると、あえて、TicPods 2 Pro+ 以外を選ぶ意味はないと思うんですが、普通に併売してるんですよね。

Apple AirPods も使用したことがあり、製品名からして AirPods 意識しているだろう製品ですので、AirPods との違いにも言及したいと思います。


パッケージは AirPods よりも過剰ですが、殆どが紙でできているので環境への配慮はできていると思います。

同梱物はイヤホン充電器と充電器の中にイヤホン本体、USBケーブル、マニュアル2冊です。

マニュアルの1冊はすべて英語で書かれていますが、こちらがユーザーズマニュアルです。もう1冊は多言語対応のセットアップガイドで、日本語も中国語と一緒に列記されています。しかし相変わらず日本語が怪しいです。

Bluetoothイヤホンを使ったことがある人ならマニュアルは不要だと思うくらいシンプルなのでマニュアルが英語なのはそれほど問題にはなりませんし、セットアップ自体は後述する専用アプリでできるのでマニュアルは見る必要がないとまで言ってもいいです。

因みに、設定等が一切必要なく、普通の Bluetoothイヤホンとして使うだけなら専用アプリは不要です。
Bluetooth のペアリングには充電ケースの蓋を開けて、イヤホンをケースに置いたまま、充電ケース内の小さいボタンを2回連続押しすると充電ケースのランプが点滅してペアリングモードになります。
あとは携帯端末の Bluetooth設定から該当の機種名を選択するだけで接続できます。

また、説明書には書かれていなかったのでマルチペアリングには対応していないと思っていたのですが、マルチペアリングにも対応しています。仕様書に書かれていないのでマルチペアリングの端末数はわかりませんが、3端末でのマルチペアリングは確認できました。

ペアリングに専用アプリを使う場合、専用アプリを起動した状態で TicPods 充電ケースの蓋を開けると、AirPods のように接続ガイダンスがポップアップされるのでその通りに操作すると接続できます。またペアリングしている端末で充電ケースを開けると、接続時に左右イヤホンの充電量と充電ケースの充電量が表示されます。このあたりは AirPods ライクになっています。


イヤホン本体のサイズですが、これは非常に AirPods です。耳につけた感覚は AirPods とそれほど変わりません。

インナーイヤー型の完全分離型 Bluetoothイヤホンは種類が少ないのでその分野で市場を席巻している AirPods とサイズが殆ど同じなのは安心感があります。

TicPods 2 Pro+ の特徴として、iOS・Android 両方に専用アプリが用意されており、各種設定ができるようになっています。
各種設定に関して AirPods はその機能が iOS に組み込まれてしまっているので、必然的に Android ではサードーパーティアプリを使わないと設定等ができないという欠点が TicPods ではありません。

この専用アプリは Android版 と iOS版で名称が違い、マニュアルのガイドに従うと Androidでは mobvoi スマートウォッチ用のアプリがインストールされてしまいます。
この辺は不親切なのだが、なぜこうなったのかはわからないけど、紛らわしいと思う。


Android用 専用アプリ Mobvoi Smart Life

iOS用 専用アプリ Mobvoi


アプリで設定できるのは以下の項目になります。

  • 音声コマンドでの操作のオン・オフ
  • 音声アシスタント(iOS では Siri、Android では Googleアシスタント)を音声コマンド「Hey, Tico(ヘイ、ティコ)」で起動するかどうかのオン・オフ
  • 耳に装着すると再生、取り外すと停止のオンオフ
    AirPods で言うところの「自動耳検出のオン・オフ」ですが、AirPods 三世代のような肌検知ではなく、接近センサーだと思われるので耳以外でも反応します。
  • 首振りコントロールのオンオフ
  • aptXコーデックを利用するオン・オフ(Androidのみ)
  • イヤホンのセンサー部分をダブルタップしたときの操作を左右のイヤピース別々に選択(次の曲へ・前の曲へ・再生/一時停止)
  • 9種類のプリセット(スタンダード、クラシック、ロック、ヘヴィメタル、ヒップホップ、ジャズ、ポップ、ベース、サブベース)から選べるイコライザー設定
  • 通知音(イヤホン装着通知、Bluetooth接続・切断通知、バッテリー残量低下通知、ダブルタップ・長押し通知)のオンオフ

AirPods よりも遥かに細かく設定ができます。また、ファームウェアのアップデートもアプリから行います。
アップデートは携帯端末と充電器が Bluetooth 経由で行われるので、通信速度の遅い Bluetooth規格では結構時間がかかります。

音声コマンドとセンサー部分のダブルタップ設定とセンサー部分の上下スワイプで音量の調整がでるので、殆どの操作がイヤホンで完結します。
個人的には AirPods より便利な場合があるとさえ感じました。


AirPods にはない TicPods 独自の機能として音声コマンドがあるのですが、これが割りと便利です。
AirPods は音声アシスタントを使うことを前提としているので音声操作は Siri 経由になりますが、TicPods 2 Pro+ は音声コマンドを話すだけでダイレクトに操作ができます。

音声コマンドは両耳を装着している場合のみの機能なので、片耳で使っている場合は使えないのですが、以下の音声コマンドが使えます。

  • Previous song(プリビアスソング:前の曲へ)
  • Next song(ネクストソング:次の曲へ)
  • Play music(プレイミュージック:再生)
  • Pause music(ポーズミュージック:一時停止)
  • Pick up(ピックアップ:応答する)
  • Hang up(ハングアップ:電話を切る)
  • Volume up(ボリュームアップ)
  • Volume down(ボリュームダウン)

音声コマンドは英語のみの対応で、それほどネイティブの発音でなくても反応してくれますが、Next song、Volume up、Volume down はアクセントをきちんと発音しないと反応してくれません。 

ただこれも、音声アシスタントを音声コマンド「Hey, Tico」で起動するようにしていれば、「Hey, Tico」で各 OS の音声アシスタントが起動できるので「次の曲へ」とか「音量アップ」とか「プレイリスト〇〇を再生」とか Siri や Googleアシスタントでできることは日本語で反応してくれますので、それほど困ることもありません。


イヤホンの音質については、価格相応でそれなりだと思います。
アプリを使用してイコライザー設定もできるので、ある程度の調整も可能です。

私はカナル型イヤホンが絶対に合わず、インナーイヤー型イヤホンしか使わないので、カナル型イヤホンの音とは比較できませんが、インナーイヤー型の仕組み的に高音は外部音と混ざり、低音はどうしても開放されて低減するので、そこを考慮した上で、そこそこの音が鳴っていると思います。
AirPods とはそもそも価格帯が違うので比較できません。


総評

よかった点
  • 充電ケースがコンパクトで持ち運びで困ることはない
  • 音声コマンドが思っていたよりも便利で使いやすい
  • インナーイヤー・完全分離型 Bluetoothイヤホンは AirPods くらいしか選択肢のない中、iOS・Android両対応の専用アプリがある
  • イヤホン本体のタッチ操作部分をダブルタップしたときの操作を左右それぞれに割り当てられるので柔軟性が高い
  • イヤホン本体のタッチ操作部分を上下にスワイプすることで音量調節できるので直感的な音量調整ができる
もう少しこうできたらという点
  • イヤホン本体のタッチ操作部分をトリプルタップしたときにも何かの操作を割り当てられるともっと柔軟性が高まったと思う
  • イヤホンを耳に装着すると再生、外すと停止の機能が不安定な時がある
  • ペアリングをするときに使用する、充電ケース内のファンクションボタンが押しづらい。また耐久性も心配である
    イヤホンがタッチ操作なのだから充電ケースも静電容量方式のボタンにすると良かったと思う
  • マルチペアリングで使用すると、動作が不安定になるときがある
    内部プログラムの調整が足りないのだろうとは思うが、AirPods のように改善されるかわからない

全体としては非常に評価の高い Bluetoothイヤホンでした。
ただ、カナル型イヤホンが問題ない人は、カナル型イヤホンのほうが選択肢は多いはずなので、カナル型は耳に合わない、インナーイヤー型こそが最適と考える人におすすめしたいイヤホンです。
更に改良された、TicPods 3 が出てくるといいと思うけど、日本では AirPods が強すぎるので難しいかもしれない。

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