決まり文句

お題:アブノーマルな絶望 制限時間:15分 文字数:688字


「このお題、すごいな……」
「どんなお題?」
「『アブノーマルな絶望』だって」

「即興小説トレーニングのお題って、ランダムな言葉の組み合わせか何かで出来ているのか?」
「さあ……? どうなんだろう。でも同じお題で挑戦している人がいるから、ある程度の法則性はあるんじゃない?」

「なるほどな……。でもこればかりは中身《アルゴリズム》を見せてもらわないとわからないね」
「もしくは、飽きるくらい挑戦して、同じお題が出るかどうか」
「なるほど……」


「ところで、だ」
「うん」
「『アブノーマルな絶望』、についてだが……。アブノーマルとは、正常ではないとか、病的であるとかいう意味だな」
「うん」

「そして、『絶望』だ。絶望は、希望がない、ということだ。つなげると、正常ではない希望がない様子、という意味だ」
「もしくは、病的な希望がない様子、か?」

「どういうことか、わからない……」

「絶望したことは?」
「……………わからない」

「正常ではない、という認識は?」
「……………どう思う?」

「質問は許されません」
「突然なんだよ。話ししてるんだから、質問もアリだろ」

「つまり、正常ではない状態で、絶望するって感じだろ?」
「それでも、曖昧だな……」
「お題ってそういうものだろ。はっきりこれってわかる連想もできないお題なんて、お題の意味ないし」

「……それもそうだな」

「どうする? もう時間がないぞ?」

「つまり、アブノーマルな絶望とは」
「うん」
「お手上げってことだろ?」

「……お後がよろしいようで、……とは言わんぞ」
「わかってる」


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